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エンゼルケア(逝去時ケア)とは?目的・手順(流れ)・料金を解説。その他の死後処置との違い

投稿:2023/08/17 更新:2024/08/11

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事故や闘病の末に家族が亡くなった場合には、少しでもきれいな姿にして見送ってあげたいと考える方が多いかと思います。エンゼルケアは故人の尊厳を守り、ご家族の気持ちによりそう逝去後に行う処置です。どこで亡くなったのか、誰が処置を行うのかで、かかる費用や処置の範囲が変わることもありますので、予め知っておくことが大切です。エンゼルケアの他に、エンバーミングや湯灌と呼ばれる死後に行う処置もありますので、併せてご説明します。この他に、逝去時に必要な準備や「家族葬全体の流れ」についても関連記事をご参照ください。

《あわせて参照》

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エンゼルケアとは

エンゼルケアとは

エンゼルケアとは、逝去後から納棺前までに故人に対し行う、死後処置全般のことです。エンゼルケアに明確な定義はありませんが、死化粧を施すまでを含み、エンゼルケアと呼ばれます。また、逝去時ケアと呼ばれることもあり、故人を少しでも生前に近い姿になるように整えるための死後処置全般のことを指します。病院や施設で亡くなった際には、医療的知識が必要な処置を含んだものになります。これに対し、エンゼルケアに含まれる「死化粧(エンゼルメイク)」という処置は、ご家族や葬儀社、納棺師などが行える処置です。エンゼルケアは、身だしなみを整え、故人の尊厳を守り、少しでもきれいな姿で見送ってあげたいというご家族の想いに寄り添うための処置です。

死後処置について

死後の処置は昔から行われていました。かつては親族が、ご遺体を沐浴させる湯灌(ゆかん)と呼ばれる処置をしました。湯灌は現在でも行われていますが、病院や介護施設で最後を迎えることが多くなったことで、看護師や介護職員がエンゼルケアの一環として清拭(せいしき)を行うことが一般的になっています。感染症のリスク対策が可能な場合に、清拭をご家族が一緒に行えるケースもありますので、希望する際は相談してみると良いでしょう。

死化粧・エンゼルメイクとは

死化粧とは、亡くなった方の尊厳を守り、身だしなみを整えて化粧を施します。エンゼルケアの処置の一環として行われ、「エンゼルメイク」と呼ばれることもあります。エンゼルケアの医療的な処置が含まれない工程の部分だけを指して「死化粧」といいます。医療的な処置を含まないため、ご家族や葬儀社、納棺師などでも行える死後処置です。

エンゼルケアを行う目的・意図

エンゼルケアを行う主な目的や意図をご説明します。正しい認識のもと、後悔のないお見送りが出来るように、知っておくと良いでしょう。

エンゼルケアを行う意図

エンゼルケアは、亡くなった方の「セルフケアを代理で行う」という意図があります。人は、セルフケアをしますが、病気や怪我により一部のセルフケアが困難になると、看護や介護が必要になります。人が亡くなった際には、セルフケアを一切行えなくなります。そのセルフケアを代理で行うという処置がエンゼルケアとされています。

エンゼルケアの4つの目的

エンゼルケアを行う主な目的は、1.感染症の予防、2.ご遺体を整える、3.故人の尊厳を守る、4.ご家族のグリーフケアの4つです。看護師や介護施設職員、または葬儀社や納棺師により処置が行われます。

感染症の予防

逝去後は、ご遺体の腐敗が時間の経過と共に進んでいきます。ご家族や医療従事者、また葬儀社の担当者などが、ご遺体から漏れた体液や血液に触れてしまった場合には、感染症のリスクがあります。このようなリスクを防ぐためにエンゼルケアで処置を施します。

ご遺体を整える

現在では、およそ8割が病院や施設で亡くなっているようです。病気などで亡くなった方では、点滴など、医療器具が取り付けられているケースもあります。医療器具を取り外し、治療でできた傷などの手当ても行い、元のきれいな状態に整えることもエンゼルケアの目的になっています。

故人の尊厳を守る

エンゼルケアの目的として「セルフケアの代理」という考え方があげられます。逝去後にセルフケアが一切出来なくなった故人に対し、体を清潔にし、整髪や髭剃りなどもして、死化粧を施します。身だしなみを整えて、少しでも生前の姿に近づけられるよう処置をします。

ご家族のグリーフケア

エンゼルケアには、遺された家族のグリーフケアが目的となる側面があります。長い闘病生活を送られた方や事故などにより姿が変わってしまったというケースもあると思います。大切な方の死をすぐに受け入れるのは、なかなか困難なものです。故人に対し、最後に出来る限りのお世話をしてあげることで、死を受け入れるきっかけとなり、ご家族の心のケアに貢献できます。

エンゼルケアは誰が行うのか

エンゼルケアは死後処置全般をさしているため、誰が行うのかについて決まりはありません。亡くなった場所によりエンゼルケアを行う人が異なるケースがあります。 例として、病院で亡くなった場合では、医療器具などの対応が必要になる可能性があるので、看護師などの医療従事者が行います。医療的な知識が必要ないケースでは、葬儀社のスタッフや納棺師または、ご家族自身で行うことも可能です。介護施設で亡くなった際には、介護施設の職員がエンゼルケアを行うこともあります。ご自宅で亡くなった場合では、ご家族で処置することも可能ですが、排泄物やお体の消毒など、不慣れな方では困難なことも含まれますので、看護師や介護施設のスタッフなど、プロに依頼するケースが多くなっています。

看護師や介護士が行うエンゼルケア

エンゼルケアをおこなう場合には専門的な知識が必要になりますが、特別な資格は必要ありません。病院で亡くなった場合のエンゼルケアは、基本的に看護師が行います。介護施設で亡くなった際には、介護士がエンゼルケアを行うこともあります。エンゼルケアで行う項目には、専門知識が必要だったり、一般の方には困難な工程が含まれるため、資格や知識が必要ない処置だとしてもプロに任せることが一般的です。ご家族の希望により参加できる項目としては、清拭や着替えの工程で参加することがほとんどです。

葬儀社・納棺師が行うエンゼルケア

葬儀社や納棺師が行うエンゼルケアの範囲は、病院とは異なります。葬儀社や納棺師が行うエンゼルケアの目的は、故人を生前の印象に近づけることです。病院や施設から引き継いだ後、見た目を、より自然に見せるように、細部にこだわった処置が施されます。故人の顔色や年齢・性別と、故人の生前の好みや、ご家族の要望も考慮されます。葬儀社により対応も異なりますので、依頼する場合は事前に確認しておきましょう。葬儀社や納棺師が行うエンゼルケアの一般的な処置範囲は下記の項目となります。

《葬儀社・納棺師が行う範囲》
  • 病院からの引継ぎ
  • クレンジング・保湿
  • マッサージ
  • 表情を整える
  • 整髪・髭剃り
  • 着替え
  • エンゼルメイク(死化粧)

エンゼルケアで行う項目

エンゼルケアのやり方は、病院や介護施設などにより多少異なりますが、エンゼルケアで行う主な項目として、基本的には「医療器具除去後の手当て」「治療時の傷の手当」「体液・内容物・排泄物などの処置」「清拭・綿詰め」「着替え」「死化粧(エンゼルメイク)」の6つの項目です。日本での死後処置には決まりが無いため、病院の方針や生前の故人の意向、ご家族の要望や宗教的な習慣を踏まえて、処置を行います。

《エンゼルケアで行う項目》
  • 1.医療器具除去後の手当て
  • 2.治療時の傷の手当
  • 3.体液・内容物・排泄物などの処置
  • 4.清拭・綿詰め
  • 5.着替え
  • 6.エンゼルメイク(死化粧)

エンゼルケアの手順(流れ)

エンゼルケアの手順(流れ)

エンゼルケアの手順(流れ)は、1.医師による死亡宣告と臨終告知、2.医療器具の除去、3.排泄物・体液などの処置、4.口腔ケア・綿詰め、5.清拭・着替え、6.整髪・化粧、7.手を整える、の7つの工程が基本的な手順(流れ)になっています。エンゼルケアの手順(流れ)の各工程を詳しく解説します。

病院でのエンゼルケアでは、基本的に看護師が行いますが、グリーフケアの観点から家族が一緒に行えるケースもあります。処置に必要なものは病院に用意されており、感染症予防のマスク・手袋・ガウンなどは支給されることが多いようです。希望があれば、着替えや装飾品などを遺族側で準備します。

1.医師による死亡宣告と臨終告知

死亡宣告とは、医師が心肺拍動停止、呼吸停止、および脳機能の停止をもって判定されます。死亡宣告の後は、稀に蘇生することがあるため、24時間以内の埋葬・火葬が法律で禁止されています。エンゼルケアを始める前に、ケア内容について遺族へ説明があります。医療器具を取り外したあとの処置をどこまでおこなうか、清拭や着替えなどの一部ケアに遺族も参加するかなどの意向確認が行われます。そして、ご家族のみでお過ごしいただくための時間が設けられます。

2.医療器具の除去

マスクやガウン、手袋などを着用し感染症の予防対策をしたうえで医療器具の除去します。医療器具を取り外した後は、必要があれば、縫合などの処置を施します。

3.排泄物・体液などの処置

排泄物の始末や胃の内容物を腹部圧迫し、それらを取り除きます。

4.口腔ケア・綿詰め

口腔や鼻腔内の吸引も行います。あごの硬直が始まる前に、口腔内の臭気を防止のため、歯ブラシやガーゼ、消毒用アルコールなどでケアします。体液が外へ流れ出ないために、目・鼻・口に綿詰め処置を行います。現在は体液の漏出防止になる根拠がないとされており、綿詰め処置を行わないことも多くなっています。また、専用のゼリーで体液の漏出防止処置をすることもあるようです。

5.清拭・着替え

清拭とは、体を拭いて清潔に保つことです。清拭が済むと着替えが行われます。病院で用意がある場合がありますが、希望があれば、ご遺族側で準備しましょう。

6.整髪・エンゼルメイク(死化粧)

整髪やお顔を整えて、エンゼルメイク(死化粧)が施されます。必要に応じてドライシャンプーをし、櫛で整髪します。お顔は、クレンジングと乳液などで保湿が行われます。エンゼルメイク(死化粧)は、その時点での顔色に合わせて、化粧を施します。爪切りや、男性の場合は髭剃りも行います。

7.手を整える・冷却

最後に手を合掌させて体勢を整えます。顔には白い布がかけられ、体も布で覆われます。また、ご遺体の腐敗進行を抑制するため、冷却も行われていきます。

エンゼルケアを依頼するときの注意点

エンゼルケアは治療の範囲ではないので、医療保険の適応外になってしまいます。病院で亡くなった場合では、逝去時ケアとして、ご家族が気づかないうちに完了しているケースもあるようです。エンゼルケアの費用や、家族の参加や立ち合いが可能なのか気になる場合には、事前に相談しておくと安心です。

エンバーミングや湯灌との違いとは

エンゼルケアの他に、死後処置としてエンバーミングや湯灌という処置があります。どれも、死後に行う処置ですが、エンゼルケアとは、どのような違いがあるのか解説します。

エンゼルケアとエンバーミングの違いとは

エンゼルケアとエンバーミングの違いは、エンゼルケアがご遺体の表面的な処置に対して、エンバーミングでは、長期的な衛生保全を目的としており、腐敗防止や殺菌処置が体内にまで及びます。また、闘病や事故などで変形してしまったお体を修復する処置が含まれます。また、エンゼルケアは誰でも行えるのに対して、エンバーミング処置は特別な技術を習得した、エンバーマーという資格取得者のみが処置することを許可されています。

《エンバーミングの関連記事》

エンゼルケアと湯灌の違いとは

エンゼルケアと似ているものとして湯灌があります。エンゼルケアの中の工程として、故人の体をきれいに拭いてくださいますが、これは「清拭」といいます。体をきれいにするという点では湯灌と共通していますが、湯灌が来世への身支度として体と心を清める儀式であるのに対し、清拭は故人の尊厳を守るために体をきれいにする作業のことを言います。両者は行う目的や意味が異なりますので、本来エンゼルケアをしていれば湯灌はしなくていい、というものではありません。 しかし、宗教や慣習事に対する考え方も変わってきているため、故人をきれいな状態にしてくれるのであれば湯灌はしなくても良い、とお考えになる方も多くなっています。

《湯灌の関連記事》

エンゼルケアの料金

病院で亡くなった場合では、エンゼルケアの料金の相場は、5,000円から20,000円程度といわれています。相場の開き幅が大きい理由は、エンゼルケアは治療ではないため、保険適応の範囲外であり、病院の判断が基準となるためです。ちなみに、葬儀社が行うエンゼルケアの料金相場は、30,000円から100,000円です。葬儀社のサービス名では「ラストメイク」などと異なる名称の場合もありますので、依頼する葬儀社へ処置内容を確認すると良いでしょう。「わが家の家族葬」のエンゼルケア(ラストメイク)の料金はオプション料金として、44,000円からとなっています。病院では、清拭を行うため湯灌は行われません。湯灌を希望し、葬儀社などの専門業者へ依頼する際の、湯灌の相場は10万円前後となっています。

まとめ

エンゼルケア・エンバーミング・湯灌などは、故人の尊厳ある旅立ちと、ご家族のグリーフケアのために重要な処置です。エンゼルケアは、予め知っておかなければ、気づいたときには完了していたというケースもあります。後悔のないお見送りが出来るように、予め病院や葬儀社に相談しておくことをおすすめします。格安葬儀社「小さいわが家のお葬式(わが家の家族葬)」を運営する「株式会社SEC」は、エンバーミングの会社です。自社でエンバーミング施設を所有し、エンバーミング処置ができる資格を持った、エンバーマーが所属しています。死後処置についてのご相談も「小さいわが家のお葬式(わが家の家族葬)」をご活用ください。

小さいわが家のお葬式が選ばれる理由

最後に、なぜ家族葬で「小さいわが家のお葬式(わが家の家族葬)」が選ばれているのか、ご紹介したいと思います。 他社との違いは、次の3項目です。1.総額費用が安い。追加費用一切なし。2.安置室完備。3.一貫して自社対応。 一般的に、「火葬料」や「式場使用料」が別途追加費用として必要だったり、ドライアイスや安置日数に制限が設けられていますので、葬儀費用を比較する際は注意が必要です。 小さいわが家のお葬式(わが家の家族葬)では「安置日数無制限で安置料・ドライアイス無料」での表示価格でご提供しているため、お見積り後に追加費用が発生することが一切ありません。 経済的な心配をせず、お別れに集中していただける環境をご提供させていただいております。また、年々増加している「エンバーミング」も、 自社対応可能な葬儀社であることが特徴です。下記ぺージでも、イラストと合わせてご紹介しています。

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家族葬とは一般的には遺族や親族、または故人と生前親しくしていた友人などを含めた少人数で執り行う小規模な葬儀を指しており、明確な定義はありません。家族葬は一般葬と同様に、僧侶などの宗教者立ち合いのもとで通夜や告別式が行われ、葬儀の日程や進行も一般葬と同じ順序であることが多いです。基本的な部分は同じでも、家族葬の定義がないため主催者が葬儀のスタイルを自由に決めることができます。例えば家族葬としながらも参列する人数が多い場合もあれば、通夜を行わないで全工程を1日で終えてしまうこともあります。会食を行わなかったり、返礼品を省略したりするケースも多いです。 ※詳しくはこちら【家族葬とは…】

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