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死装束とは?意味・種類・左前の理由、経帷子との関係まで分かりやすく解説

更新:2025/07/30

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故人が安らかな旅路へと向かう際に、最後に身にまとう「死装束(しにしょうぞく)」。故人を見送る大切な儀式に欠かせないものですが、「どのような意味があるの?」「どうして着物の合わせ方が左前なの?」「経帷子(きょうかたびら)って何?」など、さまざまな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
いざというときに慌てないためにも、基本的な知識やマナーは知っておきたいものです。

本記事では、死装束が持つ意味や歴史といった基礎知識から、具体的な着せ方、宗教・宗派による違い、さらには近年の新しい死装束のトレンドまで、幅広く丁寧に解説します。
故人を敬い、心を込めてお見送りするための準備として、ぜひ最後までお読みください。

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死装束(しにしょうぞく)とは?

死装束とは、故人がこの世からあの世へと旅立つ際に身にまとう特別な衣装のことです。単なる衣服ではなく、故人が仏様の弟子となり、浄土への長い旅路に出るための「旅支度」という意味合いが込められています。

一般的には、仏教の巡礼者がまとう衣装に似せた白い和服が用いられます。故人への深い敬意と、安らかな旅立ちを願うご遺族の思いが込められた、最後の晴れ着といえるでしょう。

死装束を着せるタイミング

死装束への着替えは、ご遺体を洗い清める「湯灌(ゆかん)」や、お体を整える「エンゼルケア(死後処置)」が終わった後、ご遺体を棺に納める「納棺」の前に行われるのが一般的です。

着付けは、専門的な知識と技術を持つ葬儀社のスタッフや納棺師が行うことがほとんどです。ただし、故人との最後の触れ合いの時間として、ご遺族が着付けの一部を手伝ったり、足袋を履かせたりすることもできます。希望する場合は、事前に葬儀社の担当者に相談してみましょう。

死装束の歴史的背景

死装束の習慣は、日本の古くからの葬送文化に由来するといわれています。その起源は諸説ありますが、広く知られているのが、仏教における「巡礼者」の姿を模しているという説です。

故人は亡くなると、冥土(めいど)への長い旅に出ると考えられていました。そのため、巡礼者と同じ格好をさせることで、無事に浄土にたどり着けるようにという願いを込めて、死装束を着せる習慣が根付いたといわれています。

なぜ死装束は「白」が多いのか

死装束に白が用いられるのには、深い意味があります。日本では古くから、白は「清浄無垢」や「神聖」を象徴する色とされてきました。また生まれたときの産着が白であることから「再生」や「新たな旅立ち」をも意味します。

仏教においても、白は俗世の汚れがない清らかな状態を表す色です。そのため、故人が穢れのない姿で仏様の弟子となり、浄土へ旅立ってほしいという願いを込めて、白い死装束が伝統的に用いられてきました。

「経帷子(きょうかたびら)」とは? 死装束との関係と意味

経帷子は、死装束の中心となる白い単衣(ひとえ)の着物です。裏地のない「帷子」に、経文や真言、題目などが書かれることがあります。

これには、故人の冥福を祈り、無事に浄土へたどり着けるよう願う意味が込められています。仏式死装束には経帷子の他、手甲(てっこう)、脚絆(きゃはん)、白足袋(しろたび)、草鞋(わらじ)、頭陀袋(ずだぶくろ)、天冠(てんかん)、杖などが含まれます。

なぜ死装束は「左前」で着せるのか

普段私たちが着る着物は、自分の右手側にある身頃(右前)を先に合わせ、その上に左手側にある身頃(左前)を重ねる「右前」が正しい着方です。しかし、故人に着せる死装束は、これとは全く逆の「左前」で着付けます。

この特別な着せ方には、故人をしのぶ人々のさまざまな願いが込められており、その理由については複数の説が伝えられています。

  • 逆さ事(さかさごと)説
    死に関連する儀式では、日常とはあえて反対のことを行う「逆さ事」という風習があります。これは、この世(生者の世界)とあの世(死者の世界)を明確に区別するための習わしであり、死装束を左前にするのもその一つといわれています。

  • お釈迦様説
    仏教の開祖であるお釈迦様が亡くなられた(入滅された)際、衣服を左前に着ていたという言い伝えがあります。これに倣い、故人がお釈迦様の元へ導かれるように、との願いを込めたという説です。

  • 高貴な身分への願い説
    奈良時代の衣服令では「庶民は右前、高貴な人は左前」と定められていたとされます。このことから、故人があの世では高い身分となり、安らかに過ごせるようにという願いが込められている、ともいわれています。

  • 奪衣婆(だつえば)説
    三途の川で死者の衣服を剥ぎ取るとされる鬼「奪衣婆」から、着物を取られないようにするため、あえて通常とは違う着せ方をしたという俗説です。

浄土真宗の場合は左前にしない

多くの仏教宗派で左前の習わしがとられますが、浄土真宗では例外的に死装束を用いなかったり、左前にしなかったりすることがあるため注意しましょう。

これは、浄土真宗の「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」という教えに基づきます。この教えでは、信心を持って亡くなった人は、阿弥陀如来の力によって、死後すぐに極楽浄土へ往生し仏になると考えられています。そのため、冥土を旅するための「旅支度」という概念が存在しません。

このことから、死装束ではなく、生前故人が愛用していた服やスーツなどを着せたり、和装の場合でも通常の着物と同じように「右前」で着付けたりすることが一般的です。

死装束の種類と選び方|宗教・宗派による違いと最近の傾向

これまで仏式の伝統的な死装束について解説してきましたが、近年は葬送の形が多様化し、死装束の選択肢も広がっています。宗教・宗派による違いはもちろん、故人らしさを大切にする新しいスタイルの衣装も登場しています。ここでは、それぞれの特徴と選び方について詳しく見ていきましょう。

仏式の一般的な死装束

仏教における一般的な死装束は、前述の通り、故人が浄土へ旅立つための巡礼者の姿を模した衣装です。

中心となるのは「経帷子(きょうかたびら)」と呼ばれる白い和服で、これに手甲や脚絆、頭陀袋といった旅の装具一式を合わせます。宗派によって細かな違いはありますが、故人の安らかな旅立ちを願う気持ちが込められた伝統的な装束です。

神式(神道)の死装束

神道では、仏式とは異なる考え方に基づいた死装束が用いられます。故人は家の守り神になると考えられているため、「旅支度」という概念はありません。

そのため、神職が祭祀で着用する「狩衣(かりぎぬ)」や「浄衣(じょうえ)」に似た、白を基調とした清らかな衣装をまといます。男性は烏帽子(えぼし)をかぶり笏(しゃく)を、女性は扇を持つなど、その装いは神道の神聖さを反映したものとなります。

キリスト教・無宗教の場合の死装束

キリスト教や特定の宗教を持たない無宗教の場合、決まった死装束はありません。

故人が亡くなると神の元に召される、または天国へ行くという考え方から、旅のための衣装は不要とされています。そのため、故人が生前に愛用していたスーツやワンピース、ドレスなど、お気に入りの服を着せることが一般的です。形式にとらわれず、清潔で故人らしい姿で見送ることが大切にされます。

近年の新たな選択肢:「エンディングドレス」「エンディングスーツ」

近年、故人らしさをより大切にしたいという思いから、デザイン性の高い専用の衣装「エンディングドレス」や「エンディングスーツ」を選ぶ人が増えています。

これらは伝統的な死装束とは異なり、素材や色、デザインが非常に豊富です。例えば、レースやフリルをあしらった華やかなドレスや、淡いピンクやブルーの優しい色合いの衣装など、故人のイメージや好きだったスタイルに合わせて自由に選べます。

元気なうちに自分らしい最期の衣装を選ぶ「終活」の一環としても注目されており、遺される家族の負担を減らし、本人の満足度も高まるというメリットがあります。

ただし、一般的な死装束よりも費用がかかる場合や、お寺や親族の理解が必要になるケースもあるため、希望する場合は事前に相談しておくと良いでしょう。

死装束着用の流れ

死装束は、故人が旅立たれる際に、どのような手順で着せるのでしょうか。一般的には、ご遺体を清め、身支度を整え、お顔に化粧を施すという一連の流れの中で行われます。

ここでは、その具体的なステップを順に解説します。

1.湯灌(ゆかん)・エンゼルケア(死後処置)

死装束を着せる前に行われるのが「湯灌」や「エンゼルケア」です。湯灌は、故人のお体をぬるま湯で洗い清める儀式で、現世での穢れや疲れを洗い流す意味があります。エンゼルケアは、病院などで亡くなった際に行われる死後処置で、全身の清拭や髪、爪などを整え、身なりをきれいにします。

これらの処置は、葬儀社の専門スタッフや湯灌師が行うことが多いですが、ご家族が立ち会ったり、一緒にお体を拭いたりすることも可能です。

2.死装束の着付け

体がきれいになったら、死装束の着付けを行います。着付けは、専門的な知識と技術を持つ葬儀社のスタッフや納棺師に任せるのが一般的です。故人のお体を丁寧に扱いながら、慣習に沿って手際よく進めてもらえます。

ご家族が希望すれば、故人の肌に直接触れる最後の機会として、下着を着せる、手甲や脚絆の紐を結ぶなど、一部を手伝うこともできます。その際は、「左前」の着せ方など、スタッフの指示を確認しながら丁寧に行いましょう。

3.死化粧(しにげしょう)

着付けの最後に行うのが「死化粧」です。これは、故人のお顔の色を整え、穏やかな表情に見えるように薄化粧を施すことを指します。闘病生活でやつれたお顔を生前の元気な頃の面影に近づけ、ご遺族の心の負担を和らげることも目的の一つです。

男性の場合は髭を剃って髪を整え、女性の場合は薄くファンデーションや口紅などを塗ります。ご家族が、故人愛用の化粧品を使って化粧を施してあげることも可能です。

死装束にかかる費用

死装束にかかる費用は、選ぶ衣装の種類によって大きく異なります。

一般的な仏衣(経帷子と旅支度一式):多くの葬儀プランに基本料金内で含まれています。別途購入する場合の相場は、数千~数万円程度です。
エンディングドレス・スーツ:デザインや素材によって価格は幅広く、数万円から、こだわりのものでは数十万円になることもあります。
神式やキリスト教式の衣装:神式の衣装は購入かレンタルか、キリスト教式でどのような服を選ぶかによって費用は変動します。

詳しい費用は葬儀社によって異なるため、プランの内容を事前にしっかりと確認しましょう。

まとめ

死装束は、故人が安らかに次の世へ旅立つための「旅支度」であり、ご遺族の深い思いが込められたものです。また伝統的な仏式のものだけではなく、神式やキリスト教、さらには故人らしさを尊重するエンディングドレスといった多様な選択肢があります。

故人をどのような姿で見送りたいかをご家族で話し合って決めることが、心残りのないお別れにつながります。

葬儀に関するお悩みや、死装束選びで迷われることがあれば、専門家にご相談ください。

小さいわが家のお葬式」では、ご遺族のお気持ちに深く寄り添い、故人さまにふさわしいご提案をいたします。ささいなことでも構いませんので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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