記事監修・作成:小さいわが家のお葬式(株式会社SEC)
葬儀の後、ご遺骨をすぐにお墓へ納骨せず「しばらく家に置いておきたい」と考える方が増えています。供養の形が多様化し、お墓の承継問題が深刻化する中で、故人をより身近に感じていたいという思いもその背景にあるでしょう。
一方で、「家に遺骨を置いても法律的に大丈夫?」「良くないことが起きるのでは?」「納骨しないと成仏できないのではないか」といった、さまざまな不安や疑問の声も少なくありません。
この記事では、お骨の自宅保管(手元供養)に関する法的な側面から宗教的な考え方、具体的な方法、メリット・デメリット、そして知っておくべき注意点まで、分かりやすく解説します。
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結論からいうと、ご遺骨を骨壷に入れた状態でご自宅に「保管」することは、法律上、何ら問題ありません。
日本の「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」で規制されているのは、ご遺骨を土に埋める「埋葬」という行為です(※)。この法律により、墓地として許可された場所以外にご遺骨を埋葬することは禁じられています。
ご遺骨を骨壷のままご自宅の仏間やリビングなどに安置しておくことは「保管」に当たるため、法律違反にはなりません。
ただし、ご自宅の庭など、墓地以外の場所に許可なくご遺骨を埋めることは法律で禁止されています。これは「死体遺棄罪」などに問われる可能性のある行為ですので、避けましょう。
またご遺骨の一部をお墓に納骨し、残りを手元供養としてご自宅で保管する「分骨」も可能です。分骨を行う際は、火葬場で「分骨証明書」を発行してもらうなどの手続きが必要となります。
※参考:厚生労働省.「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)」.https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei15/ ,(参照 2025
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「納骨しないと成仏できない」「家に遺骨を置くのは縁起が悪い」といった話を聞き、不安に思う方もいるかもしれません。ここでは、こうした考え方の背景にある宗教的な見解や、現代における供養の捉え方について解説します。
仏教の多くの宗派では、故人の成仏と納骨の時期を直接結びつけて考えることは少ないようです。仏教では、故人は四十九日間の旅を経て仏様になると考えられており、浄土真宗では「臨終即往生(りんじゅうそくおうじょう)」という、亡くなると同時に成仏するという教えがあります。
本来、納骨は故人の冥福を祈り、ご遺骨を安らかな場所に納めるという、残されたご遺族の気持ちを表すための儀式です。「納骨しないと成仏できない」という考え方は、先祖代々のお墓を大切にしてきた日本の慣習や、お寺との関係性を維持する背景から広まったという側面もあり、迷信であるといえるでしょう。
「家に遺骨を置くと良くない」「縁起が悪い」という考え方も、科学的な根拠のない迷信であることがほとんどです。むしろ、故人のご遺骨が身近にあることで、いつでも語りかけたり手を合わせたりでき、心が安らぐと感じる方も少なくありません。
大切なご家族を亡くした悲しみを癒す「グリーフケア」の観点からも、手元供養はご遺族の心に寄り添う一つの形として注目されています。大切なのは、形式や迷信にとらわれることではなく、故人を思う気持ちと、ご家族が納得できる供養の方法を選ぶことです。
手元供養に対する考え方は、宗教や宗派によって少しずつ異なります。主な宗教における考え方の傾向を見ていきましょう。
仏教の多くの宗派では手元供養を明確に否定していませんが、代々お付き合いのある菩提寺がある場合は、事前に住職へ相談するのが望ましいでしょう。
神道では死を「穢れ」と捉える考え方もありますが、ご遺骨を自宅で安置することは一般的です。キリスト教はご遺骨の扱いについて厳格な決まりは少ないものの、教会や牧師に相談することをおすすめします。特定の宗教を持たない無宗教の場合は、宗教的な制約なく、ご家族の想いに沿った自由な形で供養を選べます。
ご遺骨を自宅で保管する手元供養は、多くの利点がある一方で、知っておくべき注意点も存在します。ご自身やご家族にとって良い選択をするために、メリットとデメリットの両方を理解しておきましょう。ここでは、それぞれの側面について詳しく解説します。
ご遺骨を自宅で保管する手元供養には、精神的な面から費用面、管理面まで、さまざまなメリットが考えられます。主な利点としては、以下のような点が挙げられます。
故人を身近に感じられることは、ご遺族にとって大きな精神的な支えとなり、悲しみを癒す助けとなる場合があります。またお墓を持たない選択をすることで、お墓の建立や年間管理費といった費用がかからず、お墓の継承者がいないという悩みも解消できます。
時間や場所にとらわれず、自分たちらしい形で故人をしのべるのも、手元供養の大きな魅力といえるでしょう。
手元供養を選択する際は、メリットだけではなく、注意しておくべき点もいくつかあります。後悔のない選択をするためにも、以下の点を事前に検討しておくことが大切です。
ご遺骨は湿気に弱いため、風通しの良い場所に保管するなどのカビ対策が求められます。またご家族の中には手元供養に反対される方もいるかもしれませんので、事前の話し合いが重要です。
そして、「自分が亡くなった後、この遺骨はどうするのか」という将来の供養方法も決めておく必要があります。
ご遺骨を自宅で供養するといっても、その方法は一つではありません。骨壷のまま安置する方法から、ご遺骨を加工してより身近に置く方法までさまざまです。ここでは、手元供養の具体的な方法をいくつかご紹介しますので、ご自身やご家族の想いに合った形を見つける参考にしてください。
ご遺骨の入った骨壷のままご自宅で安置するのが、手元供養の基本といえる形です。近年では、従来の白い骨壷だけではなく、インテリアとしてリビングなどに置いても違和感のない、デザイン性の高い陶器製やガラス製の骨壷も数多く登場しています。
美しい刺繍が施された骨壷カバーや骨袋で覆うことで、より心を込めて安置できます。仏壇がない場合は、リビングの一角などに小さな棚やステージを設け、写真などと一緒に飾ることで、素敵な供養スペースを作ることが可能です。
なお、ご遺骨は湿気に弱くカビが生えることがあるため、風通しの良い場所に置き、桐箱に納めたり、骨壷用の除湿剤を利用したりといった湿気対策をすることをおすすめします。
「粉骨(ふんこつ)」とは、ご遺骨を2mm以下のパウダー状に加工することです。粉骨することでご遺骨の体積は3分の1から4分の1程度まで小さくなるため、コンパクトな骨壷に納めたり、より省スペースで保管したりできます。
またパウダー状にすることで湿気の影響を受けにくくなり、カビの発生リスクを低減できるのも利点です。将来的に散骨することを検討していたり、ご遺骨をアクセサリーなどに加工したりする場合にも、粉骨は適しています。
ご自身で粉骨を行うのは精神的な負担も大きいため、専門の業者や葬儀社、石材店などに依頼するのが一般的です。費用は数万円程度が目安です。
ご遺骨の一部、あるいは粉骨したご遺骨を納めて身近に置ける「手元供養品」には、さまざまな種類があります。ご自身のライフスタイルや故人のイメージに合わせて選べます。
デザインが豊富なミニ骨壷は、インテリアのように安置できます。ペンダントなどのアクセサリーは、故人を常に身近に感じられるのが特徴です。
他にもご遺骨から作るメモリアルダイヤモンドや、室内に飾れるオブジェ、ご遺骨を納められるぬいぐるみなど、選択肢は多岐にわたります。
費用は比較的手頃なものから高価なものまでさまざまです。故人らしさやご自身の気持ちに寄り添う一品を選びましょう。
ご自宅での供養スペースには、仏壇のような決まった形式はありません。ご家族が自然に手を合わせたくなるような、心地よい空間を自由に作れます。
例えば、リビングや寝室の棚やチェストの上に、小さな祭壇や「メモリアルステージ」と呼ばれる飾り台を設置するのも良いでしょう。そこにご遺骨や遺影を置き、お花や灯り(安全なLEDキャンドルなど)、故人が好きだったお香を供えます。
さらに、故人が愛用していた小物や趣味の品、家族との思い出の写真などを一緒に飾ることで、よりその人らしい、温かみのある祈りの空間になります。形式にとらわれず、故人との対話が生まれるような場所を作ってみてはいかがでしょうか。
手元供養は、ご自身のライフステージの変化や将来のことを考慮して、長期的な視点で考えることが大切です。
ここでは、手元供養を続ける上での注意点と、将来的なご遺骨の供養方法の選択肢について解説します。
手元供養を始めた方が、いずれ向き合うことになるのが「自分が亡くなった後、この遺骨はどうなるのか」という問題です。
ご自身で供養できなくなった後のことを考えていないと、残されたご家族がご遺骨の扱いに困ってしまう可能性があります。
そうした事態を避けるためにも、手元供養しているご遺骨を将来誰に託すのか、どのように供養してもらいたいのか、事前にご自身の意思を明確にしておくことが重要です。エンディングノートや遺言などに記しておくことで、次の世代に負担や迷いを残さないための準備となります。
気持ちの整理がついたタイミングや、ご自身の生活の変化に合わせて、将来的にご遺骨を納骨するという選択肢もあります。近年では、お墓の承継者を必要としない納骨方法も増えています。
永代供養墓は、霊園や寺院がご家族に代わって永続的に供養・管理してくれるお墓です。他の人と一緒に埋葬される合祀墓や、個別の区画を持つタイプなどがあります。納骨堂は、屋内に設置された納骨スペースで、天候に左右されずお参りしやすいのが特徴です。どちらも比較的費用を抑えやすい傾向にあります。
お墓や納骨堂に納骨する以外にも、自然に還るという考え方に基づいた「自然葬」という葬送方法も選択肢の一つです。
樹木葬は、墓石の代わりに樹木をシンボルとして、その下に遺骨を埋葬する方法で、霊園内の決められた区画で行われます。海洋散骨は、粉末状にしたご遺骨を海に撒く方法で、専門の業者に依頼するのが一般的です。どちらも、自然志向の方や、お墓という形にこだわりたくない方に選ばれる傾向があります。
ご遺骨を自宅に置くことは法律的に問題なく、「成仏できない」といった話は迷信であるといえます。手元供養は、故人を身近に感じられるなどのメリットがある一方、カビ対策や将来の行き先を決めておくといった注意点も存在します。
手元供養は、故人を思う気持ちを大切にできる、ご遺族に寄り添った供養の形の一つです。この記事が、ご家族が心から納得できる方法を見つけるための一助となれば幸いです。
手元供養や将来の供養方法について、具体的なお悩みや不安がございましたら、「小さいわが家のお葬式」にご相談ください。永代供養や散骨など、ご家族の思いに寄り添う多様な供養の形をご提案します。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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